- 図書館の小説は全体の20~30%程度で体感より少ない
- 貸出中や書庫保管で棚がスカスカに見えやすい
- 取り寄せや電子書籍で読書の幅は広がる
図書館に小説が少ないと感じたこと、ありませんか?
私も30年以上図書館に通い続けていますが、正直なところ「小説コーナー、もうちょっと充実してほしいな」と思うことは何度もありました。
実はこれ、あなたの気のせいではなく、図書館の運営ルールに基づいた結果。
この記事では、図書館における小説の立ち位置と、それでも読書を楽しむためのコツをやさしく解説します。
図書館に小説が少ないと感じるのは気のせい?見えにくいルールをやさしく解説

図書館に小説が少ないと感じるのは気のせいではありません。
実際に、図書館には小説の割合を制限する明確なルールがあるんです。
以下の3つのポイントを押さえると、なぜ小説が少なく見えるのかが理解できます。
- 全図書における小説の割合は20~30%程度
- 小説が少ない理由は予算やスペースの制約がある
- 図書館ごとの収集方針でラインナップに差が出る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
全図書(資料)における小説の割合
日本の公立図書館では、小説が含まれる「文学(日本十進分類法:9類)」の割合は、全蔵書の約20%~30%程度が一般的です。
つまり、棚全体を見渡したとき、小説が占めるスペースは3割にも満たないわけで。
蔵書構成のバランス
図書館は「知識の集積地」という役割があるため、以下のように多岐にわたるジャンルを網羅する必要があります。
- 料理・旅行などの実用書(生活科学)
- 歴史・社会科学
- 自然科学
- 郷土資料
- 専門書
小説はこれらのジャンルと同列に扱われるため、どうしても全体の中では少なく感じる構造になっているわけです。
見え方のギャップ
小説は利用者の貸出希望が最も集中するジャンル。
でも、棚全体で見ると、専門書や郷土資料などの「保存すべき資料」に多くのスペースが割かれています。
そのため、利用者の需要に対して「小説が少ない」という体感が生じやすくなるんです。
実際、私も「あれ、小説コーナーってこんなに狭かったっけ?」と感じることがよくあります。
小説が少ない4つの理由
棚に並んでいる小説が少なく見える、あるいは特定の作品が手に入りにくい背景には、以下の4つの理由があります。
理由1|「貸出中」が多すぎる
小説、特に人気の文芸書は、購入されてもすぐに貸し出されます。
人気の作品は「棚に並んでいる時間」よりも「誰かの家にある時間」や「予約取り置き棚にある時間」の方が圧倒的に長い。
結果として、一般の棚は常に「スカスカ」の状態になるわけですね。
これ、図書館あるあるだと思います。
理由2|実用書・専門書の優先購入
図書館には「市民の生活や調べ物を支える」という公的な役割があります。
娯楽性の強い小説ばかりを揃えるのではなく、以下のような本を優先的に購入するルールがあるんです。
- 高価で個人では買いにくい学術書
- 地域に必要な実用書
- 調査・研究用の専門書
つまり、小説は「後回し」になりがち。
理由3|「文庫本」の扱いが特殊
多くの図書館では、耐久性の観点からハードカバー(単行本)を優先して購入します。
文庫本は劣化が早く、紛失もしやすいため、寄贈品を中心に構成している館も多め。
そのため、最新の文庫ラインナップが手薄になる傾向があります。
私も「あの文庫版、図書館にないのかな?」とがっかりした経験が何度もあります。
理由4|ベストセラーの購入制限
「特定の人気作を大量に買う(多巻買い)」ことは、民間の書店の営業を妨害するという批判(民業圧迫)を受けることがあります。
そのため、予約が数百件あっても購入は数冊に留めるという運用ルールを設けている図書館が少なくありません。
つまるところ、人気作ほど「借りにくい」状況が生まれやすいわけですね。
図書館によって小説のラインナップに差が出るワケ
「A図書館にはあるのにB図書館にはない」という差は、以下の要因で決まります。
「資料収集方針」の違い
各自治体の図書館には「資料収集方針」という公的な文書があります。
たとえば、こんな感じ。
- 「子育て支援に力を入れる」
- 「ビジネス支援を優先する」
- 「郷土資料を充実させる」
地域が重視するテーマによって、小説に割ける予算の配分が変わるんです。
私の住んでいる地域の図書館は、ビジネス書が充実している一方で、小説は控えめ。
予算規模(図書購入費)の格差
自治体の財政状況により、年間の図書購入予算には大きな開きがあります。
予算が潤沢な自治体は、以下のような本も積極的に買えます。
- ライトノベル
- 最新のエンタメ小説
- 話題の文芸書
一方、予算が厳しい自治体では、名作や古典、文学全集などの「長く残る本」に絞って購入。
結果として、地域によって小説のラインナップに大きな差が生まれるわけです。
分館と本館の役割分担
中央図書館(本館)は保存性の高い学術書を、駅前の分館などは回転率の良い小説や雑誌を重点的に置くといった、役割の使い分けが行われています。
そのため、行く場所によって「小説の多さ」の印象が激変するんです。
私も本館と分館で、小説の充実度が全然違うことに驚いた経験があります。
【注意点】
- リクエストの反映:小説が少ないと感じる場合、多くの図書館で「購入リクエスト」を出せますが、娯楽性が高すぎると判断された場合や予算上限に達した場合は却下されることがあります
- 相互貸借:自館に小説がなくても、同じ自治体内の他の館から取り寄せることが可能です(棚にない=読めない、ではありません)
- 方針の変更:自治体の首長交代や教育方針の変更、デジタル化(電子書籍導入)の進展により、物理的な小説の棚が縮小される、あるいは逆に拡充されるといった方針変更が数年単位で行われる可能性があります
地域の図書館に小説が少ない場合でも満足度を上げるコツ

地域の図書館に行って「読みたい小説が全然ない」とがっかりした経験はありませんか?
でも、実は「棚にない=図書館にない」とは限りません。
図書館の仕組みを賢く利用して、読書体験の満足度を劇的に上げるコツを解説します。
- 分類と棚づくりの仕組みを理解する
- 取り寄せやリクエスト制度を味方につける
- 電子書籍サービスを使う
- 小説以外のジャンルに手を伸ばしてみる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
少なく見えるだけ?分類と棚づくりの仕組みを理解しよう
図書館の棚は、特定のルールに基づいて整理されています。
これを知るだけで、探しやすさがガラッと変わるんです。
「日本十進分類法(NDC)」の活用
日本の図書館のほとんどは、ジャンルを数字で分けるNDCを採用しています。
小説は主に「913(日本文学の小説・物語)」に集まっていますが、実はエッセイや紀行文(914・915付近)の中にも、小説のように楽しめる読み物がたくさん隠れています。
私も最初は913しか見ていませんでしたが、914や915を覗いてみたら、面白い本がわんさか見つかりました。
「面展示」や「特集コーナー」をチェック
棚の端にある「司書のおすすめ」や「季節の特集」コーナーは、普段は書庫に眠っている名作や、特定のテーマに沿った面白い本が並ぶボーナスステージ。
ここを見逃すと、めちゃくちゃもったいないです。
私も「こんな本があったんだ!」と新しい作家に出会えることが多々あります。
「書庫」という巨大なバックヤード
棚に出し切れない本は、裏の「書庫」に保管されています。
館内の検索機で「在架」になっているのに棚にない場合は、書庫にある可能性が高め。
スタッフに声をかけるとすぐに出してもらえるので、遠慮せずに頼んでみましょう。
私も最初は「書庫って特別な場所なのかな?」と思っていましたが、気軽に出してもらえることを知ってからは、利用頻度が上がりました。
取り寄せやリクエスト制度を味方につける
目の前の棚に本がなくても、あきらめる必要はありません。
図書館には強力な「ネットワーク」があるんです。
「予約・取り寄せ」をフル活用する
同じ自治体内の他の図書館(分館など)に本があれば、最寄りの図書館まで無料で届けてもらえます。
ネットから予約しておけば、本が届いたときにメールで知らせてくれるので、非常に効率的。
私もこの制度を知ってからは、わざわざ遠くの図書館まで足を運ぶことがなくなりました。
「相互貸借(そうごたいしゃく)」で他自治体から借りる
自分の自治体に本がない場合でも、県内の他の市町村の図書館から本を借り受ける制度があります。
この制度を使えば、絶版になった小説なども読める可能性が高まる。
手続きは少し時間がかかりますが、どうしても読みたい本があるときには頼もしい味方です。
「購入リクエスト」を出してみる
新刊や話題作が蔵書にない場合、購入を依頼できます。
自治体の予算や選書基準によりますが、自分の「読みたい」という声が、図書館のラインナップを充実させる一助になるんです。
私も何度かリクエストを出して、実際に購入してもらえたことがあります。
電子書籍サービスを使うと世界が広がる
最近では多くの自治体で「電子図書館(電子書籍サービス)」が導入されています。
これが想像以上に便利なんです。
24時間いつでも借りられる
図書館に行かなくても、スマホやタブレットで貸出・返却が完結します。
夜中に急に本が読みたくなったときに非常に便利。
私も夜型人間なので、この制度にはかなり助けられています。
物理的な「在庫」に左右されにくい
紙の本では予約待ちが長い人気作も、電子書籍なら複本(ライセンス)が多く用意されていたり、待ち時間が短縮されていたりすることがあります。
ただ、自治体によって電子書籍のラインナップには差があるので、まずは自分の地域の図書館サイトをチェックしてみましょう。
読みやすさの調整が可能
文字のサイズを大きくしたり、背景色を変えたりできるため、紙の本よりも快適に読める場合があります。
私も目が疲れやすいタイプなので、文字サイズを調整できる機能は本当にありがたい。
小説以外のジャンルに手を伸ばしてみるのもいい
小説が少ないと感じるときこそ、新しい扉を開くチャンス。
視野を広げると、思わぬ発見があるんです。
「趣味・実用書」の棚は宝の山
料理、手芸、旅行ガイド、歴史の解説書などは、ビジュアルも豊富で眺めるだけでも楽しめます。
小説とは違った面白さがあるので、気分転換にもぴったり。
私も最初は「実用書なんて……」と思っていましたが、読んでみたら予想以上にハマりました。
「コミックエッセイ」という選択肢
最近はコミックエッセイの蔵書を増やす図書館も増えています。
文章だけの本よりリラックスして読めるため、読書の間食として最適です。
私も疲れているときは、コミックエッセイでほっこりすることが多いです。
「レファレンス(相談)」で新しい作家に出会う
「〇〇さんみたいな作風の小説を探している」と司書に相談してみましょう。
自分一人では一生出会わなかったかもしれない、素敵な作家を紹介してもらえることがあります。
私も司書さんに相談して、今ではお気に入りの作家を何人も見つけました。
【注意点】
- 電子書籍のコンテンツ数:電子図書館のラインナップは、著作権や契約の関係で、紙の蔵書に比べるとまだ少ないのが一般的です(特に最新のベストセラーは提供までに時間がかかることがあります)
- リクエストの受理:購入リクエストは必ず通るわけではありません(娯楽性が高いシリーズものや、既に予算を使い切っている場合などは断られることもあります)
- 取り寄せの所要時間:他館からの取り寄せには数日から1週間程度、他自治体からの借用にはそれ以上の時間がかかる場合があるため、余裕を持って申し込むのがコツです
図書館に小説は少ないと感じる人のQ&A
図書館での小説の取り扱いについては、個人の感覚だけでなく、図書館の運営ルールや社会的な役割が深く関わっています。
利用者が抱きがちな疑問について、具体的かつ詳細に回答します。
Q. 職場がある大きな街の図書館でも借りることは可能?
A. 「在勤者」として利用登録をすれば、職場近くの図書館でも借りることが可能です。
多くの公立図書館では、その自治体に「在住」している人だけでなく、「在勤(通勤)」や「在学(通学)」している人も貸出対象に含めています。
利用登録の条件
氏名・住所が確認できる本人確認書類(免許証など)に加え、勤務先の所在地が確認できるもの(社員証、名刺、在勤証明書など)を提示することで、利用カードを作成できます。
私も職場近くの図書館でカードを作って、通勤帰りに本を借りています。
例外
自治体によっては「隣接する市町村の住民」まで対象を広げているケースもありますが、基本的には「住んでいる」「働いている」「学んでいる」のいずれかに該当すれば、無料で本を借りられます。
【注意点】
- 名刺のみでは不可とする自治体や、指定の「在勤証明書(押印あり)」が必要な場合があります
- 事前に公式サイトで確認が必要です
Q. ほとんど借りる人がいない本をどうして購入しているの?
A. 図書館には「利用者のニーズに応える」以外に、「文化の保存」と「情報の網羅性」を守るという公的な使命があります。
誰もが知るベストセラーだけでなく、数十年後に研究者が探すかもしれない専門書や地域資料、あるいは今は評価されていなくても後世に価値が出る可能性のある本を保存する役割があるんです。
資料のアーカイブ機能
貸出数(回転率)だけを重視すると、娯楽本ばかりになってしまいます。
そのため、以下のような多角的な基準で購入を決定しています。
- 学術的な価値
- 資料としての希少性
- その地域に関連する内容かどうか
私も「なんでこんな本が?」と思うことがありましたが、図書館の使命を知ってからは納得できるようになりました。
知る権利の保障
「誰にも読まれない本」でも、たった一人の市民が「どうしても知りたい」と思ったときに提供できる状態にしておくことが、公共図書館の存在意義とされています。
Q. 人気作家やベストセラー本はやっぱり優先されるの?
A. 多くの図書館では、人気作を「全く無視はしないが、過度に優先もしない」という絶妙なバランスで運用しています。
一定の配慮
府中市立図書館の基準などのように、「時代の流行を反映する資料」として価値を認め、購入対象に含めるのが一般的です。
ただし、予約が数百件ついても、民間の書店の経営を圧迫しないよう(民業圧迫の回避)、購入数を数冊〜十数冊程度に抑える自治体が多いです。
公平性の維持
特定のジャンルや作家に予算が偏りすぎないよう、1年間の購入予算はジャンルごとに配分が決まっています。
私も「あの人気作、もっと買ってよ!」と思うことがありますが、図書館の立場も理解できるようになりました。
Q. 小説のなかでもミステリーばかり多い気がするのは気のせい?
A. これは「気のせい」ではなく、実際のニーズと、文庫化・シリーズ化のしやすさが影響している可能性があります。
圧倒的な人気ジャンル
多くの図書館の貸出統計において、ミステリーや推理小説は常にトップクラスの人気を誇ります。
需要が高いため、図書館側も重点的に収集する傾向があるわけです。
寄贈本の多さ
読み終わった本が図書館に寄贈される際、エンターテインメント性の高いミステリー小説は数が多く、結果として棚に並ぶ割合が高くなることがあります。
シリーズ物の存在
ミステリーはシリーズ化されやすく、1つのシリーズを揃えるだけで棚の一定スペースを占めるため、視覚的に目立ちやすいという側面もあります。
私もミステリーが好きなので、この偏りは正直ありがたいです。
Q. 好きな作家の本は購入して応援してあげたほうがいい?
A. 作家を直接的に応援したいのであれば、「購入(新品での購入)」が最も効果的です。
印税の仕組み
日本には現在、図書館の貸出回数に応じて作家に報酬が支払われる「公共貸与権」の仕組みが定着していません。
作家に直接お金が入るのは、本が売れた時の印税。
なので、好きな作家を応援したいなら、以下のように使い分けるのがおすすめです。
- 応援・保存したい本:自分で購入することで作家の収入になり、重版(増刷)の可能性を高めます
- 出会いを求める本:図書館で読み、もし気に入ったら購入したり、SNS等で感想を発信したりすることも、作家にとっては大きな支援になります
私も好きな作家の新刊は必ず購入して、それ以外は図書館で楽しんでいます。
図書館での「予約」も影響
図書館で予約が多く入ることは「この作家には需要がある」というデータになり、次作以降の図書館の購入継続に繋がるという間接的な応援効果もあります。
【注意点】
- 選書基準の公開:多くの図書館では「資料収集方針」をHP等で公開しています(自分の地域の図書館が何を重視しているかは、そこで確認可能です)
- 制度の変更:公共貸与権(貸出への報酬)については、日本児童文学者協会などが長年導入を求めており、将来的に著作権法や運用ルールが変更される可能性があります
図書館には小説が少ない?のまとめ
図書館に小説が少ないと感じるのは気のせいではなく、図書館の運営ルールに基づいた結果でした。
ここまでの内容を振り返ってみましょう。
- 全蔵書における小説の割合は約20~30%程度
- 貸出中が多い、実用書優先、文庫本の扱い、ベストセラー制限などの理由で少なく見える
- 図書館ごとに資料収集方針や予算規模が異なるため、ラインナップに差が出る
- 分類の仕組みを理解し、取り寄せやリクエスト、電子書籍を活用すると満足度が上がる
- 在勤者でも利用登録可能、文化保存の役割、人気作も一定配慮されている
図書館に小説が少ないのは事実ですが、仕組みを理解して賢く利用すれば、読書の幅は確実に広がります。
私も最初は「小説が少ない」と不満に思っていましたが、今では図書館を最大限に活用して、充実した読書ライフを送っています。
あなたも図書館の仕組みを味方につけて、素敵な本との出会いを楽しんでくださいね。
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