- 図書館に漫画が少ないのは予算・スペース・選書基準の3つの壁があるから
- 漫画を置くと来館者は増えるが管理コストや他の蔵書圧迫のリスクもある
- 最近は館内限定や電子書籍で漫画を導入する図書館が増えている
図書館に漫画がないことに気づいて、なんでだろうって思ったことありませんか?
私も図書館に30年以上通っていますが、昔から「漫画コーナーがあったらいいのに」と思い続けてきました。
実は図書館に漫画が少ないのには、予算やスペースだけじゃない、いろんな事情があるんです。
この記事では、図書館と漫画の微妙な関係について、現場の声やデータをもとに、ゆるっと、でも詳しく解説していきますね。
図書館に漫画がないのはなぜ?置くべきかの判断とメリットデメリットをゆるっと解説

図書館に漫画が少ない背景には、運営側の苦渋の決断や明確なルールが存在します。
以下の順番で、漫画を置かない理由から最新事情まで見ていきましょう。
- 図書館に漫画がない理由
- 漫画を置くメリットとデメリット
- 漫画を置く図書館の最新事情
- 私が図書館に漫画を置くべきだと思う理由
まず知りたい!図書館に漫画がない5つの理由
「なぜ置かないの?」という問いに対し、現場の司書や自治体の判断には、以下のような現実的なハードルがあります。
理由1|予算とスペースの圧倒的不足
漫画は巻数が多く、1シリーズ揃えるだけで数十冊のスペースと数万円の予算を消費します。
限られた予算の中で、公共性の高い実用書や郷土資料、児童書を優先すると、漫画は後回しになりがち。
たとえば、人気シリーズの『ONE PIECE』を全巻揃えようとすると、100巻以上で10万円近くかかるわけで。
その予算があれば、専門書を何冊も買えるんですよね。
理由2|「娯楽」か「教育」かの線引き
かつての図書館界では「漫画は低俗な娯楽」という認識が強く、活字離れを助長するという懸念がありました。
現在では「文化」として認められつつありますが、今もなお「漫画は自分で買うべき個人資料」と考える自治体も存在するんです。
教育的価値があるかどうかの判断も、なかなか難しい部分があります。
理由3|管理がとにかく大変(破損・紛失)
漫画は一般の書籍に比べ、ページをめくる頻度が高く、紙質も脆いため傷みやすいのが難点。
また、特定の1巻だけが盗難されたり、紛失したりするとセットとしての価値が損なわれるため、管理コストが高くなります。
ボロボロになった漫画を何度も買い直すのも、予算的に厳しいわけですね。
理由4|選書(選ぶ基準)が難しい
「どの漫画を置くか」という基準の作成が困難なんです。
人気作すべてを追うのは不可能ですし、年齢における閲覧許可の基準も厳しく設定する必要がある。
トラブルを避けるために「最初から置かない」という選択がなされることも多め。
理由5|地元の本屋への配慮
「図書館で最新の漫画が無料で読める」ようになると、地域の書店やレンタルショップの経営を圧迫するという懸念から、収集を控えるケースもあります。
地域経済への影響を考えると、これも無視できない理由なんですよね。
置くべきか?図書館に漫画を置くメリットデメリット
図書館に漫画を導入することには、賛否両論のメリットとデメリットがあります。
【メリット】漫画を置くことで広がる可能性
- 来館のきっかけ作り:普段本を読まない層や若年層が図書館に足を運ぶ強力なフックになる
- 読書への入り口:漫画をきっかけに、その作品のテーマ(歴史、科学、スポーツ等)に関連する専門書へ興味が広がる「導入効果」が期待できる
- 文化の保存:絶版になった名作漫画などを公共資料としてアーカイブすることで、後世に文化を伝える役割を果たせる
- 居場所の提供:不登校の子供や孤独を感じる人が、気負わず過ごせる「サードプレイス」としての機能を強化する
白河市立図書館では3万冊超の漫画が利用者の3割を占め、全体利用を伸ばした事例もあるんです。
漫画があることで、図書館全体の活性化につながる可能性があるわけですね。
【デメリット】導入に伴うリスクと課題
- 滞在時間の長時間化と混雑:漫画コーナーだけが混雑し、静かに読書をしたい他の利用者の迷惑になる場合がある
- 他の蔵書の圧迫:限られた棚のスペースが漫画に占領され、学術書や実用書の割合が減ってしまうリスクがある
- マナーの悪化:漫画目的の利用者が増えることで、館内での私語や飲食、返却ルール違反などが増えることを懸念する声もある
学校図書館では集中力低下、長期延滞・又貸し増加、活字離れを懸念する意見も。
メリットとデメリットのバランスを取るのが、図書館運営の難しいところなんです。
それでも増えている?漫画を置く図書館の最新事情
近年では「漫画は立派な日本の文化・資料である」という認識が広がり、積極的に導入する図書館が増えています。
館内限定での公開が主流
紛失や破損を防ぐため、漫画は「館内閲覧のみ(貸出禁止)」というルールを設けている図書館が多いです。
大和市立図書館などがこの方式を採用していますね。
学習漫画の充実
ストーリー漫画は置かなくても、日本の歴史、伝記、科学などの「学習漫画」は、ほぼ全ての図書館が積極的に導入しています。
『はたらく細胞』や『宇宙兄弟』のような、教育的要素の強い作品も人気高め。
漫画専門の公共施設
「北九州市漫画ミュージアム」や「京都国際マンガミュージアム」のように、自治体が運営に関わる漫画に特化した施設が登場しています。
広島市まんが図書館のような専門施設も存在するんです。
電子図書館での導入
物理的なスペースを取らない「電子書籍」として漫画をラインナップに加える自治体も増えています。
電子化が進めば、スペース問題が解決するかもですね。
私が図書館に漫画を置くべきだと思うワケ
リサーチを通じて見えてきたのは、図書館が「知識との偶然の出会い」を提供し、「誰にでも開かれた場所」であるべきだという点です。
漫画があることで、普段は図書館を必要としていなかった人が一歩足を踏み入れ、そこで偶然目にした図鑑や小説に興味を持つかもしれません。
また、高価な全巻セットを買えない子供たちにとって、図書館は唯一、平等に文化に触れられる場所になります。
「低俗なもの」として排除するのではなく、「文化の入り口」として適切に管理・提供することが、これからの図書館の価値を高めると言えるでしょう。
正直、漫画があるだけで図書館の雰囲気がガラッと変わると思うんですよね。
【注意点】
- 収集方針の差異:漫画の有無や種類は、各自治体が定める「資料収集方針」によって大きく異なる。お住まいの地域の図書館が漫画を置いていない場合、それはその自治体の公式な判断に基づいている
- 運用ルール:館内閲覧のみ、貸出冊数制限、予約不可などのルールは、予算や管理状況により随時変更される可能性がある
- リクエストの受理:多くの図書館では利用者のリクエストを受け付けているが、漫画に関しては「収集対象外」として購入されないケースも多いため、各館の規定を確認する必要がある
図書館に漫画がない状況のQ&A

図書館に漫画が少ない背景には、運営側の苦渋の決断や明確なルールが存在します。
利用者から寄せられることの多い疑問について、公的な指針や最新の動向に基づき詳しく解説しますね。
Q. そもそも置く本って誰がどうやって決めているの?
A. 図書館に置く本は、主に専門の司書が「資料収集方針」や「選書基準」という公式ルールに基づいて選んでいます。
選定のプロセス
多くの自治体では、毎週発行される新刊情報をもとに、司書が「選書会議」を開いて検討します。
吹田市や大和市などの事例では、以下の要素を総合的に判断して購入を決定しているんです。
- 教育的価値
- 地域性
- 利用者のニーズ
- 予算
判断の基準
「思想的に偏っていないか」「事実に誤りがないか」「表現が過激でないか」といった厳しいチェック項目があります。
漫画の場合、「学習に役立つか」「文化的な価値があるか(賞を受賞しているか)」が重要な判断材料となるんです。
公立図書館では図書館長が最終決定し、学校図書館は校長中心の委員会で年間計画に基づいて選んでいます。
Q. 漫画のリクエストってできるの?
A. リクエスト自体は可能ですが、採用される確率は活字本より低いのが現状です。
リクエストの扱い
多くの図書館で「購入希望(リクエスト)」の制度がありますが、町田市立図書館や習志野市立図書館のように、「ストーリー漫画のリクエストは原則受け付けない」と明文化している自治体も少なくありません。
カウンター用紙・OPAC・HP経由で申込できますが、雑誌やコミックエッセイは一部可でも、CD/DVD/漫画全般不可の館も多め。
なぜ断られるのか
漫画は巻数が多く予算を圧迫すること、一度入れ始めると全巻揃える責任が生じること、そして「特定の個人の娯楽のために公金を使う」ことへの慎重な判断があるためです。
通る可能性があるケース
歴史を扱う作品や、文化庁メディア芸術祭などの大きな賞を受賞した作品、地域ゆかりの漫画家の作品などは、リクエストが受理されやすい傾向にあります。
とはいえ、最終的には各図書館の判断次第なので、ダメ元で聞いてみるのもアリかもですね。
Q. 外国の図書館でも漫画は並んでいない?
A. 実は、海外(特に北米や欧州)の図書館では、日本の漫画(MANGA)が非常に積極的に導入されています。
北米の状況
アメリカの公共図書館では「Graphic Novel(グラフィック・ノベル)」というカテゴリーで漫画が広く普及しており、若年層を呼び込むための重要なツールとされています。
アメリカの図書館94%超がマンガを所蔵し、北米全体で11万館以上と積極的なんです。
公共・大学図書館で『狼の口』など日本漫画が90館(米)・10館(カナダ)収蔵されている事例も。
規制の動き
一方で、経済産業省の調査などによると、日本独自の表現(過激な描写に見えるもの)が海外の教育基準に抵触し、設置中止や年齢制限の議論が巻き起こることも珍しくありません。
日本漫画専門施設(広島市まんが図書館など)も存在し、海外収集が進んでいるんです。
Q. 将来的にワンピースみたいなコミックが普通に並ぶ日が来る可能性は?
A. 『ONE PIECE』のような国民的人気作が、全国の図書館に「全巻完備」される日はまだ少し先、あるいは限定的かもしれません。
現在の立ち位置
現状、多くの公立図書館では「娯楽色が強い」として、人気少年誌・少女誌のコミックスは収集対象外となっています。
変化の兆し
一方で、大和市立図書館のように「マンガ資料収集方針」を独自に定め、社会的評価の高い作品を積極的に保存する動きも出ています。
デジタル化が進み、電子図書館での貸出が一般的になれば、スペースの問題が解決し、人気作も「電子書籍」として並ぶ可能性が高まっているんです。
図書館のリクエスト増加や利用促進で漫画所蔵が進み、ワンピースのような人気作が定番化する兆しはありますね。
学習マンガ分類の推進や電子化で4万館規模の公共・学校図書館に拡大余地があるわけで。
絶版作品デジタル化(マンガ図書館Z)も後押しだが、分類「マンガ」一括を避けテーマ別収蔵が鍵になりそう。
【注意点】
- 選定方法・リクエスト規約は各自治体・図書館の運用で変更可能なので、一般論として扱う必要がある
- 海外所蔵データは特定作品や過去調査に基づいており、全体傾向は変動する可能性がある
図書館に漫画がない!のまとめ
図書館に漫画が少ない理由から、置くべきかの判断、最新事情までを見てきました。
最後に、重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 図書館に漫画が少ないのは予算・スペース・選書基準の3つの壁がある
- 漫画を置くことで来館者は増えるが、管理コストや他の蔵書圧迫のリスクもある
- 最近は館内限定や電子書籍で漫画を導入する図書館が増えている
- 漫画のリクエストは可能だが、採用される確率は活字本より低い
- 海外では日本の漫画が積極的に導入されている
- 将来的には電子図書館での展開で人気作が並ぶ可能性がある
図書館と漫画の関係は、今後も変化していくでしょう。
あなたの地域の図書館がどんな方針を取っているか、一度調べてみるのも面白いかもしれませんね。
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